「夜、寝るときにコンタクトをつけるだけで、昼間は裸眼で過ごせる」
「しかも近視進行抑制効果もある」
そんな少し不思議な治療法が
オルソケラトロジー です。
近年、子どもの近視が増えるなかで
「メガネや普通のコンタクトとは違う選択肢」
として注目され、
近視進行抑制の一つとして眼科で行われています。
ただ一方で、
- 本当に安全なの?
- 毎晩つけるって大変じゃない?
- うちの子に向いている?
と、不安や疑問を感じる親御さんも多いと思います。
この記事では、
医師ではなく“視能訓練士”の立場から
オルソケラトロジーの仕組み・効果・向いている子・注意点を、
できるだけわかりやすく解説します。
1. オルソケラトロジーとは?

オルソケラトロジーは、
- 夜、寝ている間
- 特殊なハードコンタクトレンズを装用
- 角膜(黒目の表面)の形を一時的に整える
ことで、
日中は裸眼で見える状態を保つ治療法です。
日中は裸眼で過ごしつつ、近視進行抑制効果も期待できる
というのが大きな特徴です。
関連記事:【子どもの近視は止められる?近視進行抑制についてまとめています】

2. どうして視力が良くなるの?仕組みをやさしく解説

近視の多くは、
目のピントが網膜より手前で合ってしまうことで起こります。
オルソケラトロジーのレンズは、
寝ている間に角膜のカーブをわずかに変え、
ピントが網膜の上に合いやすい状態
を作ります。
重要なのは、
削ったり、永久に形を変えるわけではない
という点です。
やめれば元に戻る
→ 可逆的(元に戻せる)治療です。
3. オルソは「近視を治す」治療ではない

ここはとても大事なポイントです。
オルソケラトロジーは
❌ 近視を治す治療ではありません
⭕ 日中裸眼で過ごせる+近視の進行スピードを抑えることが目的です。
特に注目されているのが、
視力表の数字ではなく
眼軸長(眼球の奥行き)の伸び
を抑える効果です。
👉 この点は
【低濃度アトロピン点眼】や
【マイサイトワンデーによる近視進行抑制】
とも共通する考え方です。
4. なぜオルソは近視進行抑制に効くと言われるの?

オルソケラトロジーでは、
網膜の周辺部に「近視性デフォーカス」
という状態が作られると考えられています。
これは簡単に言うと、
眼球が「これ以上伸びなくていい」とブレーキがかかるような視覚情報
です。
その結果、
- 眼軸長の伸びがゆるやかになる
- 将来の強度近視リスクを下げる
可能性があるとされています。
眼軸長が伸びすぎると、将来の眼疾病リスクが上がる
眼軸長が過度に伸びた状態(=強度近視)になると、
大人になってから次のような目の病気のリスクが高くなることが分かっています。
- 緑内障
- 網膜剥離
- 加齢黄斑変性
- 近視性黄斑症 など
まっしゅなんで近視が進みづらくなるのか…
なかなかむずかしいにゃ…



大切なのは近視が進むと目の病気になるリスクが上がること。
今の視力を良くすることよりも、将来の見え方を守る選択肢がある
ことを理解できればいいとおもうよ!
5. オルソケラトロジーが向いている子


すべての子に向くわけではありません。
一般的に向いているのは、
- 小学生〜中学生
- 近視が進行中
- 毎日の装用管理を保護者がサポートできる
- スポーツなどで眼鏡をかけることに制限がある
のお子さんです。
逆に、
- 衛生管理が難しい
- 目を触るのを嫌がる(ハードコンタクトがつけられない)
- 通院やケアが続けられない
場合は、慎重な判断が必要です。
6. 費用の目安と保険について


オルソケラトロジーは
保険適用外(自由診療)です。
目安としては、
- 初期費用:15〜25万円前後(両眼)
- ランニングコスト(定期検査・レンズ管理費)が別途かかる
年間3~6万円前後 - レンズの交換費用(2~3年ごと):3~5万円前後



クリニックによって差が大きいため、
必ず事前に説明を受けましょう
7. 低濃度アトロピンとの併用は?


結論から言うと、
👉 併用されることがあります。
- オルソケラトロジー × 低濃度アトロピン
といった組み合わせで、
近視進行抑制効果がより高まる可能性が報告されています。
ただし、
- 全員に必要なわけではない
- 眼科での判断が必須
です。
関連記事:【低濃度アトロピンによる近視進行抑制についてまとめています】


8. よくある不安・注意点


安全性は大丈夫?
正しく使えば、
安全性は高い治療です。
ただし、
- 洗浄・管理不足
- 指示を守らない装用
では、
角膜感染症などのリスクがあります。
定期検査は必須
- 装用開始直後
- 数ヶ月ごと
の定期フォローがとても重要です。
9. オルソを始めるにはどうすればいい?


まずは、
- 眼科で相談
- 適応検査(角膜形状・視力・眼軸長など)
- 十分な説明を受ける
この流れが基本です。
👉 自己判断で始める治療ではありません。
関連記事:【眼科受診前に確認しておきたい記事まとめ】
まとめ:オルソは「管理できれば強い選択肢」
- 夜つけて昼は裸眼
- 近視進行抑制が期待できる
- 管理と定期フォローがとても重要
オルソケラトロジーは、
向いている子にとっては非常に効果的な選択肢です。
「うちの子に合うかな?」と感じたら、
まずは眼科で相談してみてください。



