近視進行抑制はいつまで続ける?──やめどき・判断の目安を専門家が解説

自己判断でやめる前に、近視進行抑制いつまで続ける?

「近視進行抑制って、いつまで続けるものなの?」

近視進行抑制を始めたあと、多くの保護者の方が気になる疑問です。

「そろそろやめてもいいのかな?」
「途中でやめたら、また進んでしまう?」
と不安になるのは、とても自然なことです。

近視進行抑制には、
“〇歳まで”“〇年間で終了”といった明確なゴールはありません。

大切なのは、年齢や視力の数字だけで判断するのではなく、
目の成長(眼軸長)や進行スピードを見ながら続け方を考えることです。

この記事では、
視能訓練士の立場から

  • 近視進行抑制はいつまで続けるのが一般的なのか
  • 「やめどき」はどう判断するのか
  • やめるときに気をつけたいポイント

を、保護者の方にもイメージしやすく解説していきます。

「やめる・続ける」で迷っている方が、
眼科で相談するときの判断材料になる記事
を目指します。

目次

1. 近視進行抑制に「〇歳まで」という決まりはない

シルバーホワイトラウンド型アナログウォッチの画像

まず大前提として知っておいてほしいのは、
近視進行抑制には「ここまでやれば終わり」という明確な年齢設定がないということです。

なぜなら、近視進行抑制の目的は
視力を回復させることではなく、眼球の成長(眼軸長)が伸びすぎるのを抑えることだからです。

眼軸長の伸び方には個人差があり、

  • 成長が早く止まる子
  • 中学生以降もゆっくり伸び続ける子

がいます。

そのため
「何歳だからやめる」
「〇年間続けたから十分」
と一律には判断できない
のです。

関連記事:【近視進行抑制の始める時期を詳しく解説しています。】


2. なぜ“成長期”は続ける必要があるのか

勉強している男の子の画像

子どもの近視が進みやすいのは、
体が成長する時期=眼球も一緒に成長する時期だからです。

特に注意が必要なのは、

  • 小学生〜中学生
  • 早い子では高校生前半まで

この時期は、身長が伸びるのと同じように
眼球の奥行き(眼軸長)も伸びやすい状態にあります。

近視進行抑制は、
この「伸びやすい時期」にブレーキをかける治療。

つまり、

×成長が続いている間にやめてしまうと抑えていた進行が再び出てくる可能性がある

という点は知っておく必要があります。

関連記事:【近視進行抑制ってどのくらい効果があるのかまとめました。】


3. 「やめどき」を考えるときの基本的な視点

FINISHと書いてある画像

近視進行抑制をやめるかどうかは、
1つの要素だけで決めるものではありません。

眼科では主に、次のような点を総合的に見て判断します。

  • ここ数年、近視の進行スピードが落ち着いているか
  • 眼軸長の伸びがほぼ止まってきているか
  • 年齢的に成長期を過ぎつつあるか
  • 本人・家族が無理なく続けられているか

「視力表の数字が変わっていない」だけで
即やめてよい、という判断にはならないのがポイントです。

関連記事:【近視進行抑制の費用についてまとめています。】


4. よくある「やめどき」の目安(一般的な考え方)

休憩を告げる看板の横に座っている飲み物の画像

あくまで一般論ですが、
眼科では次のようなタイミングで
「そろそろ見直そうか」という話が出ることが多いです。

  • 中学生後半〜高校生で、進行がほぼ止まってきた
  • 1〜2年以上、眼軸長の伸びがほとんど見られない
  • 生活リズムが変わり、継続が難しくなった

ただしこれは
この時期なら必ずやめられる」という意味ではありません。

同じ年齢でも

  • まだ進行している子
  • すでに安定している子

がいるため、
定期検査での評価がとても重要になります。


5. 自己判断でやめてしまうと起こりやすいこと

黒板の前にいるヤギの画像

近視進行抑制は、
「やめた瞬間に悪化する治療」ではありません。

ですが、自己判断で中断すると

  • 抑えていた進行が再開する
  • 気づいたときには、進行スピードが早くなっている
  • 再開するタイミングを逃してしまう

といったケースもあります。

特に、

  • 「忙しくなったから」
  • 「少し落ち着いた気がするから」

といった理由だけでやめるのは注意が必要です。

関連記事:【近視進行抑制の間違いやすいポイント5つにまとめました。】


6. 方法ごとに考える「続け方・やめ方」の違い

近視進行抑制は、方法によって続け方の考え方も少し異なります。

低濃度アトロピン点眼

  • 比較的長期で続けるケースが多い
  • 徐々に中止・減量を検討することもある

関連記事:【低濃度アトロピン点眼についてまとめています。】

オルソケラトロジー

  • 管理がしっかりできていれば長期継続されることが多い
  • 成長終了後に中止を検討することが多い
  • 近視進行抑制とは別に、裸眼で過ごしたい希望があり大人になっても継続することもある

関連記事:【オルソケラトロジーとは何か? まとめています。】

近視抑制用ソフトコンタクト

  • 学校生活や装用状況に合わせて継続判断
  • 他の方法と切り替えるケースもある

関連記事:【ソフトコンタクトレンズによる近視進行抑制についてまとめています。】

いずれの場合も、
「やめる=放置」にならないよう、定期フォローは継続します。


7. やめる前に必ず眼科で確認してほしいこと

本にバケットリストを書いている人の画像

近視進行抑制をやめる前には、
次の点を必ず眼科で確認しましょう。

  • 最近の近視進行スピード
  • 眼軸長の変化
  • 今後、進行する可能性
  • やめた後のフォロー間隔

「やめるか迷っている」という段階で相談してOKです。

視能訓練士としても、
相談なく中断されるより、迷っている段階で聞いてもらえる方がずっと安心です。


8. 近視進行抑制は「やめどき」より「見直しどき」

コルクボードの電球のマークが書いてある紙が画鋲で止めてある画像

近視進行抑制は、
始めるときも、続けるときも、やめるときも
一度決めたら終わり、ではありません。

  • 今の方法が合っているか
  • 負担が大きくなっていないか
  • 別の選択肢はないか

定期的に「見直す」ことが大切です。


9. まとめ|近視進行抑制は“続ける・やめる”を一緒に考える治療

医師が母親と一緒に来院したこどもを診察している画像
  • 近視進行抑制に明確な終了年齢はない
  • 成長期が続く間は、慎重な判断が必要
  • 視力だけでなく「眼軸長」を見て判断する
  • 自己判断でやめず、眼科で相談することが大切

近視は
「治す」ものではなく、「コントロールする」時代です。

やめどきに迷ったときこそ、
「今の目の状態を一緒に確認する」
そんな気持ちで眼科を頼ってもらえたらと思います。

関連記事:【近視進行抑制について広く解説しています。】

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