糖尿病は「血糖の病気」と思われがちですが、実は目にも深く関わる病気です。
その中でも「糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)」は、放っておくと失明原因の上位にもなる怖い合併症のひとつ。
進行するまで自覚症状が少ないため、定期的な眼底検査による早期発見がとても大切です。
この記事では、糖尿病網膜症の仕組み・症状・検査・治療法をわかりやすく解説します。
「最近、眼科で“網膜に変化がありますね”と言われた…」という方にも読んでほしい内容です。
眼トリさん結論から言います!!
糖尿病と診断された場合は必ず定期的に眼科を受診しましょう!!



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【日本の中途失明原因第一位はこの病気です↓↓】


糖尿病とは?──血糖コントロールの乱れが全身に影響


糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。
通常、食事で摂った糖分は「インスリン」というホルモンの働きによって体のエネルギー源として利用されます。
しかし糖尿病では、このインスリンの働きが弱くなる(2型糖尿病)、または分泌そのものが不足する(1型糖尿病)ことで、血糖が高い状態が続いてしまいます。
高血糖の状態が長く続くと、血管の内側が少しずつ傷つき、全身の細い血管(毛細血管)や神経が障害されるようになります。
その結果として、時間をかけてじわじわと進行する「合併症」が現れます。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは?
糖尿病のコントロール状態を判断するうえで欠かせない指標が「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」です。
簡潔に説明すると、【酸素を運ぶことができないヘモグロビン】がどのくらいあるか、という数値です。そのためHbA1c が高値だと、酸欠状態になりいろいろな臓器がうまく働かなくなるのです。
これは、過去 1〜2か月間の血糖の平均値 を反映するもので、日々の食事や運動、薬の効果がどのくらい安定しているかを示してくれます。
健康な人ではおおよそ 4.6〜5.8%前後 とされ、
糖尿病の診断や治療目標では 6.5%以上が糖尿病型 の目安となります。
血糖値はその日の体調や食事で変動しますが、HbA1cは長期的なコントロールを評価できるため、
「今どれくらい安定しているか」を判断するうえでとても重要です。



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糖尿病の三大合併症とは?


糖尿病によって引き起こされる合併症の中でも、特に注意が必要なのが次の「三大合併症」です。
| 合併症名 | 障害される部位 | 主な症状・影響 |
|---|---|---|
| 糖尿病網膜症 | 目の網膜 | 視力低下や失明の原因になる |
| 糖尿病腎症 | 腎臓 | 進行すると人工透析が必要になる |
| 糖尿病神経障害 | 手足の末梢神経 | しびれ・痛み・感覚低下など |
日本では糖尿病患者が約1000万人以上いると推定され、そのうち約4人に1人が何らかの合併症を持っているといわれています(厚生労働省調べ)。
特に糖尿病網膜症は、20〜60代の働き盛り世代の中途失明原因の上位に位置しており、
“目の健康を守るうえで最も注意が必要な合併症のひとつ”です。
糖尿病網膜症とは(原因と起こるしくみ)


糖尿病網膜症は、糖尿病によって網膜(目の奥の光を感じる膜)にある細い血管が傷つく病気です。
血糖値が高い状態が続くと、血管の壁がもろくなり、出血や浮腫(むくみ)が起こります。
これが糖尿病網膜症です。
進行すると、網膜が酸素不足になり異常な血管(新生血管)ができ、それがもろく出血を繰り返し、網膜の働きが低下し、視力の低下や失明につながることがあります。
糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症の中でも特に多く、成人の失明原因の上位にあげられています。
症状と進行段階
初期のうちは自覚症状がほとんどありません。
しかし、進行するにつれて次のような症状が現れます。
- 見え方がぼやける
- 視野の一部が欠ける
- 飛蚊症(黒い点が動いて見える)
- 急に見えにくくなる
糖尿病網膜症は大きく以下の3段階に分けられます。
| 病期 | 主な変化 | 自覚症状 |
|---|---|---|
| 単純網膜症 | 毛細血管の破れや小さな出血 | ほとんどなし |
| 増殖前網膜症 | 血流が悪くなり、酸素不足になる | 見えにくさを感じることも |
| 増殖網膜症 | 新しい血管(新生血管)が発生し、硝子体出血などを起こす | 視力が急激に低下する |


検査で何がわかる?


糖尿病網膜症の診断には、眼底検査が基本です。
瞳孔を開いて眼底の血管や網膜の状態を詳しく確認します。
【眼底検査について詳しくまとめています↓↓】


さらに、次のような検査も行われます。
- OCT(光干渉断層計):網膜のむくみ(黄斑浮腫)を断面で評価
- 蛍光眼底造影:血管からの漏れや詰まりを確認
これらの検査によって、どの段階でどんな治療が必要かを判断します。
【OCTの実際の検査結果も載せました↓↓】





糖尿病と診断された場合、目に症状がなくても一度眼科で検査を受けましょう。
正常なデータもとても重要です!
治療法


治療は、病期や症状によって異なります。
🔹 レーザー治療(光凝固術)
循環障害に陥っている周辺部の網膜をレーザー光線で焼きます。
そうすることで、新生血管が生えづらくなり、網膜症の進行を抑える効果があります。
ただし、周辺部網膜を焼いてしまうため見える範囲が狭くなったり(視野狭窄)、暗いところで見えにくく(夜盲)なります。レーザー治療は進行を抑制することが目的であるため、網膜症のなる前に戻す治療ではありません。




🔹 抗VEGF薬の硝子体内注射
血管の漏れやむくみを抑える薬を、目の中に直接注射します。
特に黄斑浮腫を伴う場合に有効で、定期的な治療が必要です。
【こちらも抗VEGF薬で治療を行います↓↓】


🔹 硝子体手術
出血や膜が視力に影響している場合に行う手術です。


日常生活で気をつけること


糖尿病網膜症の進行を抑えるには、血糖コントロールが何よりも大切です。
また、次の点にも注意しましょう。
- 定期的に眼科で眼底検査を受ける(少なくとも年1回)
- 血圧・脂質も一緒にコントロールする
- タバコは控える
内科に通ってるから眼科はしばらく行かなくていいかな?
──答えはNOです!
確かに内科的な治療を始めると、HbA1cが下がり、糖尿病網膜症の進行を抑えることが期待されます。
一度血糖が高い状態で血管がダメージを負うと、いくら内科的な治療をしても今までのダメージが蓄積されているので、定期的な眼科の通院が必ず必要になります。また、糖尿病の治療を始めたあとに血糖が急に良くなると、一時的に網膜症が悪化するケースも報告されています。
「HbA1cが良いから大丈夫」ではなく、血糖値の管理+眼科のチェックで、はじめて目の健康が守られます。
見え方の変化を感じたらすぐ受診を
「急にかすむ」「黒い影が見える」などの症状が出たら、早めの眼科受診が必要です。
放置すると、治療しても視力が戻らないことがあります。
糖尿病網膜症は**“早期発見・早期治療で防げる失明”**です。
定期検査と適切な治療で、見える毎日を守りましょう。
まとめ


- 糖尿病網膜症は血糖の影響で網膜の血管が傷む病気
- 初期は自覚症状が少ないため、定期検査が重要
- 治療にはレーザー・抗VEGF注射・手術などがある
- 一度糖尿病と診断されたら、眼科も必ず定期的に受診する
【目の疲れは毎日のケアで軽減します↓↓】


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