近年、スマホやパソコンの使用時間が長くなり、目の不調を訴える人が増えています。
「目が重い」「かすんで見える」「ピントが合いづらい」──これらの症状は、放っておくと慢性化し、視力や生活の質にまで影響を与えかねません。
この記事では、総合病院で14年勤務する現役の視能訓練士が、毎日の生活に取り入れやすい正しい目のセルフケア方法を、根拠に基づいて解説します。
今日から実践できるケアで、“目の健康寿命”をのばしましょう。

セルフケアが「予防医療」になる時代

「最近、目のかすみや疲れが取れにくい」と感じる人が増えています。
日本では平均寿命が約85歳に対し、目の健康寿命はおよそ60歳前後と言われています。
つまり、多くの人が「見えづらさ」を感じながら20年以上を過ごしているということです。
原因の多くは、加齢だけではなく生活習慣や目の使い方にあります。
特に現代では、スマートフォン・パソコン・タブレットなどの「近くを見る作業」が長時間化しており、
ピントを合わせる筋肉(毛様体筋)や涙の分泌バランスに負担がかかっています。
そのため、毎日の中で目をいたわるセルフケアを習慣化することが、
「病気になってから治す」よりも重要な予防医療の一歩となります。
目の不調を感じたら迷うことなく”眼科を受診する”ことが一番大切!!
この大前提は必ず忘れないようにしましょう。
ここで紹介する方法は、日ごろの目の疲れやストレスを少しでも解消することを目的としています。
何度も言いますが、目の不調を感じたら眼科を受診しましょう。
毎日できる3つの基本ケア

① 20-20-20ルールの実践
アメリカ眼科学会が推奨している方法で、
20分ごとに20秒間、6メートル(約20フィート)先を見るというものです。
近くを見続けることで緊張したピント調節筋をリラックスさせる効果があります。
仕事や勉強の合間に少し遠くの景色を眺めるだけでも、
焦点の調節疲労を防ぐことができます。
- 眼科の視力検査表・・・5メートル
- 消防車の全長 ・・・5.66メートル
- アパートの2階 ・・・約6メートル
- 学校の体育館の天井高・・・7メートル以上
- 学校の教室の横幅・・・7~8メートル
眼トリさんデスクや台所などの近見作業スペースから、おおむね6メートル先の目標物をあらかじめ確認しておくといいね!



ちなみに猫は、6~7メートルの高さから落ちても大丈夫と言われているにゃ
② 目の周りを温めて血流を促す
目の周囲を温めることで、血流が良くなり、
ピント調節筋の疲労やドライアイの改善につながります。
市販の温めアイマスクでも構いませんが、
40℃前後のおしぼりを数分のせるだけでも十分です。
寝る前に行うと、リラックス効果も得られます。
- 打撲や虫刺されなどで腫れているとき
- 花粉症などで目が痒いとき
- 結膜炎などで目が充血しているとき
③ まばたきトレーニング
スマホやパソコンを見ていると、まばたきの回数が通常の1/3ほどに減少します。
意識的に「しっかりまばたきする」だけで、涙の循環が整い、
角膜の乾燥を防ぐことができます。
特に「まぶたを閉じて2秒キープ」するようにすると、
涙が眼全体に行き渡りやすくなります。
- 角膜の光学的平滑性の維持 ─ 目の表面をきれいな球面にして、度数を安定させる
- 角結膜の浸潤 ─ 目の表面の乾燥を防ぐ
- 角結膜の感染防御 ─ 涙には殺菌作用がある物質が含まれており、微生物の侵入を予防する
- 角結膜の異物除去 ─ 目の表面に入った異物を洗い流す
- 角結膜の創傷治癒 ─ 目の表面の傷を癒す成分が含まれている



涙にたくさんの役割があるなんてびっくりしたニャ‼
環境を整えるセルフケア


デスク環境を見直す
モニターの位置は目線より少し下が理想です。
目線が高いと、まばたきが減りやすく乾燥につながります。
また、画面との距離は40〜50cm以上を目安に保ちましょう。



デスクワーク用の眼鏡は、使用距離・年齢によって度数が変化するよ!
近くを見やすくするための眼鏡を作りたいときは、眼鏡でどの距離をカバーしたいのか、実際に測定してメモしておくとgood!
照明と空気環境も大切
部屋が暗すぎると瞳孔が開き、光のちらつきで疲れやすくなります。
一方で明るすぎる白色光も眩しさの原因になります。
やや暖色系の照明で、自然光に近い明るさを保つのがおすすめです。
加湿器を使って**湿度40〜60%**を保つと、
ドライアイ予防にも効果的です。
避けたい“間違ったセルフケア”


近年SNSなどで、「目を動かす筋トレ」や「頻繁な目薬の使用」が
セルフケアとして紹介されることがあります。
しかし、強すぎるトレーニングや過度な点眼は逆効果になることもあります。
・目を上下左右に大きく動かす運動 → 一時的にスッキリしても、筋緊張を悪化させることがある
・防腐剤入りの目薬を頻繁に使用 → 角膜表面を傷つけるリスク
セルフケアは「やりすぎない」ことが大切です。
基本は“やさしく・短時間・継続的に”が原則です。
セルフケアで改善しない時の判断基準


- 朝よりも夜にかけて症状が悪化する
- 片目だけぼやける・二重に見える
- 頭痛や肩こりを伴う
- 一時的に改善しても、すぐに元に戻る
このような場合は、単なる疲れ目ではない可能性があります。
眼精疲労やドライアイ、斜位(両眼のズレ)などが隠れていることもあります。
長く続く場合は、眼科での検査をおすすめします。


まとめ:正しいケアで、10年後もよい見え方を
目は、一度ダメージを受けると自然に回復しにくい臓器です。
だからこそ、小さな習慣の積み重ねが未来の見え方を左右します。
今日から始められるセルフケアを取り入れ、
10年後も快適な見え方で過ごせるようにしていきましょう。



困ったときは迷わず眼科を受診しよう!!!
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