「近視進行抑制って気になるけど……正直、いくらかかるの?」
眼科で説明を受けたり、ネットで調べたりする中で、
多くの保護者の方が最後にぶつかるのが
“費用の壁” です。
近視進行抑制は、病気を治す治療ではなく、将来の目を守るための選択肢です。
だからこそ、効果だけでなく 費用についても納得したうえで選ぶこと がとても大切です。
この記事では、
眼科で行われている近視進行抑制について
- なぜ保険が使えないのか
- 方法ごとの費用の目安
- 「続けられるかどうか」を判断するポイント
を、視能訓練士の立場から、できるだけわかりやすく 解説します。
「高いか安いか」ではなく、
ご家庭にとって無理のない選択ができるように
判断材料としてお読みください。
関連記事:【そもそも近視進行抑制ってなに? わかりやすくまとめています。】

① 結論:近視進行抑制は「基本的に自費診療」です

まず結論からお伝えすると、
現在、眼科で行われている 近視進行抑制治療は原則すべて自費診療 です。
これは、
- 病気を「治す」治療ではない
- 視力を回復させる治療ではない
- 将来の近視進行を“ゆるやかにする”目的の治療
という位置づけになるため、
健康保険の適用対象にはなっていません。
そのため、
- 初診料
- 検査費用
- 治療にかかる薬剤・レンズ代
- 定期フォローの診察費
は、基本的に 全額自己負担 になります。
ただし、
「全部が高額」「どの方法も同じくらいかかる」
というわけではありません。
方法ごとに 費用感・継続しやすさ・向いている家庭 は大きく異なります。
② なぜ保険が使えないの?よくある誤解

「近視って病気じゃないの?」
「将来の病気を防ぐなら、保険が使えてもいいのでは?」
そう感じる方も多いと思います。
ただ、日本の保険制度では、
- 今ある症状を治療する
- 生活に支障が出ている状態を改善する
ことが保険診療の基本です。
近視進行抑制は、
- すでに困っている症状を治す
- 視力を上げる
という治療ではなく、
将来のリスクを下げる“予防的な医療” に近い位置づけになります。
そのため現時点では、
ワクチンや自由診療と同じように 自費診療 として扱われています。
③ 方法別|費用の目安(あくまで目安)

※実際の金額は医療機関によって異なります
※ここでは「だいたいこのくらい」という感覚をつかむための目安です
● 低濃度アトロピン点眼
- 初期検査・診察:5千円〜1万円前後
- 点眼薬:月5,000円前後
- 定期検査:3〜6か月ごとに数千円程度
👉 比較的始めやすく、低年齢でも導入しやすい。また診察・検査費用の保険適用の話も進んでいる。
ただし、すでに屈折異常がある場合、眼鏡やコンタクト費用が別途かかる。
関連記事:【低濃度アトロピン点眼に関してまとめています】

● オルソケラトロジー
- 初期費用(レンズ・検査):15万〜20万円前後
- 定期検査:3〜6か月ごとに数千円程度
- 管理費:レンズケア用品に年2万5千円~3万円
- レンズ交換:2~3年ごとに6~10万円程度
👉 初期費用は高いが、効果を実感しやすいケースも多く、日中裸眼はお値段以上。
関連記事:【オルソケラトロジーとは? 詳しく解説しています。】

● 近視進行抑制用ソフトコンタクト(マイサイト ワンデーなど)
- 初期検査:5千円〜1万円前後
- レンズ代:まだ日本で未発売。海外では1か月で約1万円前後。
- 定期検査:数か月ごとに必要
👉 ワンデーで管理しやすいが、毎月のコストはやや高め。
ただし毎月のコンタクトレンズ費用も含めているとも考えられる。
関連記事:【マイサイトワンデーとは? 詳しく解説しています。】

④ 「高い・安い」より大切な考え方

近視進行抑制の費用を考えるとき、
つい「どれが一番安いか?」で選びたくなります。
ですが実際には、
- 毎日続けられるか
- 子どもが嫌がらないか
- 親の管理負担が現実的か
- 数年単位で続けられるか
この “続けられるかどうか” が最も重要です。
どんなに効果が期待できる方法でも、
途中でやめてしまえば意味がありません。
関連記事:【近視進行抑制のはじまり~終わりまでを2つに分けてまとめています。】
⑤ 費用を聞くのは「失礼」じゃない


「お金の話をすると、なんだか気まずい…」
そう感じる方もいますが、
費用の相談はとても大切 です。
眼科では、
- 治療の選択肢
- 費用の目安
- 続けられそうかどうか
を含めて一緒に考えることが前提になっています。
無理に高い治療を勧められることはありません。



「現実的に続けられるか不安です」
この一言だけでも、十分な相談になりますよ。
こんな考え方もあります
- まずは負担の少ない方法から始める
- 合わなければ別の方法に切り替える
- 成長や生活スタイルに合わせて見直す
近視進行抑制は 一度決めたら終わり ではありません。
子どもの成長に合わせて、
「今のベスト」を選び直していく治療です。
⑥ まとめ|費用も含めて“納得して選ぶ”ことが大切


- 近視進行抑制は原則自費診療
- 方法によって費用感は大きく異なる
- 大切なのは「続けられるかどうか」
- 費用の相談は遠慮しなくていい
近視は放っておくと自然に止まるものではありません。
だからこそ、無理のない形で続けられる選択 が、
結果的にお子さんの目を守ることにつながります。
👉 それぞれの治療法について詳しく知りたい方は
・低濃度アトロピン点眼の記事
・オルソケラトロジーの記事
・マイサイト ワンデーの記事
もあわせて参考にしてください。





