3歳児健診は、子どもの“見える力”を本格的にチェックする、最初の大切なタイミングです。
この時期に視力がうまく育っていないと、弱視や屈折異常(遠視・乱視)が見逃され、将来の見え方に大きく影響する可能性があります。
しかし実際には、
- 視力検査のやり方がよくわからない
- 家ではできたのに、健診でうまくできなかった
- 「要精密検査」と言われて不安…
など、多くの保護者から同じような不安の声が寄せられます。
この記事では、3歳児健診で何をチェックしているのか、正常の目安、検査で引っかかったときの対応を、視能訓練士の視点からわかりやすくまとめました。
3歳児健診を安心して迎えるための“目の知識”として、ぜひお役立てください。
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3歳児健診で何をチェックするの?


3歳児健診では、体の発育だけでなく 「視力の発達」 を確認する大切な機会があります。
視力の発達は、実は 6歳頃まで がピーク。この時期を逃すと、視力の伸びが鈍くなり、治療効果が下がってしまいます。
だからこそ、3歳児健診での視力検査は
“弱視を早期発見するチャンス”
と言われています。
視力検査の目的(3つ)
- 視力の発達に問題がないか調べる
- 片目だけ悪い(不同視)を見つける
- 遠視・乱視・斜視など、弱視の原因となる異常を早期発見する
3歳で異常が見つかれば、ほとんどのケースは治療で改善します。
視力検査のやり方(家庭で行う方式)


多くの自治体では、自宅で
“ランドルト環(Cのマーク)のカード”
を使った視力検査を行い、その結果を健診票に記入します。


C(ランドルト環)カードとは?
Cのように切れ目のあるマークで、
「切れている方向(上下左右)がわかるか」
を見ることで視力を測る仕組みです。



3歳のこどもにランドルト環の切れている方向を答えてもらうのは、すごく難しい。成長にも差がありますし、できなくても全然問題ない!
どうしてもうまくいかないときは、眼科受診が鉄板!!
絵視標といって、ランドルト環の前段階で行える視力検査もあるから、
段階を踏んでやっていこう!


片目ずつ測る理由
片目ずつ測るのは、
片方だけ悪い視力(不同視)を見落とさないため。
両目で測ると見えるほうの目で補ってしまい、異常に気づきにくくなります。
よくある間違い
- 指やティッシュの位置がずれて のぞき見してしまう
- 子どもが 飽きて適当な方向を答える
- ふざけて 全部同じ方向に答える
3歳児あるあるです。
家で練習するときのコツ(1〜2分でOK)
- ゲーム感覚で「どっちが開いてる?」と声かけ
- できたらすぐにほめる
- 長時間やらない(1分で終了してOK)
- カードを少し大きめから始め、徐々に小さく
「正確さ」より「慣れること」が目的です。



1度で完璧を求めてもダメ!
根気よく回数を重ねると、こどもも慣れてきます。
3歳の視力の“正常値”の目安


一般的に、3歳児の視力は
0.5〜0.7 が標準程度
とされています。
ただし、ここで大切なのは…
“できなかった=視力が悪い”ではない
3歳児は、
- 集中できない
- 気分で答え方が変わる
- 検査方法が理解できていない
などの理由から、検査が不正確になりやすいのが特徴です。
「検査がうまくできなかっただけ」のケースも本当に多いので、
結果が悪かった=異常がある
とは限りません。



検査をする場所や環境、その日の体調・気分で全然変わります。
眼科に来るとすんなり見えてしまうこともたくさんあるよ。
検査で引っかかる理由は?


3歳児健診で「要検査」になる理由は大きく次の4つです。
屈折異常(遠視・乱視・近視)
特に多いのが 遠視と乱視。
見た目ではわかりにくく、家庭でも気づきにくい異常です。
弱視(視力の発達が遅れる状態)
弱視には
- 屈折異常弱視
- 不同視弱視
- 斜視弱視
などの種類があります。
斜視
片方の目が内側・外側を向く状態。
軽度でも視力発達に影響を与えることがあります。
片目だけ悪いケース
左右差が大きいと、
良いほうの目だけが発達して、悪いほうの目が育たない
というリスクがあります。
よくある誤解:「ゲームやテレビのせいですか?」
3歳の視力不良のほとんどは
生まれつきの屈折異常 が原因です。
ゲーム・テレビなどの生活習慣とは関係がありません。
(過度の近距離作業は近視の進行に影響しますが、3歳弱視の主因ではありません)
『要精密検査』と言われたらどうする?受診の緊急度は?


“緊急”ではないものの、
数週間以内の受診が推奨 されます。
視力発達の大事な時期であるため、
早めに眼科で確認することが重要です。
眼科で行う検査内容
- 視力検査(片眼ずつ)
- 屈折検査(どのくらい遠視・乱視・近視があるか)
- 散瞳検査(調節を麻痺させて正確な度数を測る検査)
- 眼の病気がないかの診察
眼科で何がわかる?
- 屈折異常の有無
- 弱視の可能性
- 斜視の有無
- メガネが必要かどうか
- 治療が必要な場合の方針
家庭の検査とちがい、眼科では 客観的な機械で測定できるため、より正確に診断できます。
よくある質問(Q&A)


よくある質問まとめました。
Q1:家ではできたのに、健診ではできなかった…?
→ 初めての場所で緊張してできない子は多いです。
自宅でできていても、念のため眼科受診して問題ないか確認しましょう。
Q2:片目だけ悪いと言われた
→ 片目だけの視力低下は気づきにくく、弱視の原因になります。
必ず眼科を受診しましょうへ。
Q3:すぐにメガネが必要?
→ 遠視・乱視・不同視が原因の場合はメガネ治療が基本。
ただし、度数や生活状況により医師が判断します。
Q4:治療はいつまで続く?
→ 3〜6歳が治療効果のピーク。
早ければ早いほど短期間で改善します。
ただし、視力が改善しても眼鏡をかけなくて済むわけではありません。
Q5:弱視は治るの?
→ 早期発見・早期治療なら、多くの子が正常視力まで回復します。
逆に遅れるほど改善しにくくなります。
7. まとめ──早期に見つければ“視力は育てられる”
- 視力の発達は6歳頃まで
- 3歳児健診は、弱視早期発見のチャンス
- できなかっただけの可能性もあるが、念のため眼科で確認が安心
- 異常の多くは治療すれば改善できる
3歳児健診は、将来の視力を大きく左右する重要なチェックです。
少しでも違和感や不安があれば、早めに眼科受診をしておくと安心です。
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